『リトルナイトメア2』考察 | 残酷なのは世界か、小人か

リトルナイトメア2 PS4 & PS5
『リトルナイトメア2』

リトルナイトメアシリーズ最新作として『リトルナイトメア2』が発売されました。リトルナイトメアシリーズは非常に不気味な世界観が人気のゲームシリーズです。

ゲーム内で物語の全容が語られることなく、ゲームをクリアしても多くの謎が残されるゲームでもあります。本記事では『リトルナイトメア2』に残された謎について、考察してみようと思います。

人によって謎の解釈はまちまちです。全く的外れな考察だと思うかもしれませんし、「もしかしたらそうなのかも」と思うような考察もあるかもしれません。本記事の考察はあくまで「説」です。そういう考え方もあるんだな、くらいに思って気軽に読んでもらえればと思います。

ちなみに、致命的なネタバレを多分に含むのでゲームを未プレイの方はブラウザバック推奨です。

モノの正体とノッポ男の目的

ノッポ男

エンディングでは、主人公のモノが異空間でノッポ男に成長します。その後、ノッポ男となったシックスは時間を遡り、過去のシックス、すなわちかつて自分と電波塔を冒険していたシックスを襲います。彼はなぜシックスを襲っていたのでしょうか。

  • 裏切られた怒りを本人にぶつけるため

非常に単純な復讐です。裏切ったシックスに制裁を加えるために過去に戻ってシックスを襲っていたという説です。

ただ、これだけが理由ならば過去のシックスを襲わず、裏切った後のシックスを襲えばいいのではないかとも考えられます。何か裏切った後のシックスを襲えない理由があるのかもしれません。異空間からは過去へしか移動できないとか。

  • 同じ悲劇が起こらないようにするため

シックスに裏切られて異空間に一人閉じ込められたことを無かったことにしようと、過去のシックスを排除しようとしているのかもしれません。過去を改編することにより結末を変えようとするという、時間ループものでよくあるパターンです。

結局過去の自分に阻まれてその作戦は失敗するのですが、過去のモノに消されたノッポ男はどうなったのでしょうか。ただの思念体のようなものだからノッポ男の存在自体は消えないのか、そこで明確に死を迎えた結果、異空間が新しい主人を求めて最終ステージに繋がるのか…。

シックスは何故モノの手を放したのか

リトルナイトメア2のネタバレ考察!ラスボスはシックス?ノッポ男の正体も | くららのネタデミア
シックスが裏切るシーン

最後のシーンで、シックスは一度掴んだモノの手を放します。『リトルナイトメア2』のプレイヤーは誰しもあそこで驚愕するでしょう。

シックスは曲がりなりにもモノとこれまで共に冒険してきた相棒です。なぜ最後裏切ってしまうのでしょうか。その理由はいくつか考えられます。

  • モノの顔を見てノッポ男だと気づいたため

ゲームの後半、異空間のようなステージの途中から、モノはそれまでずっと被っていた帽子をとっています。それによってシックスはこれまで見ることのできなかったモノの顔を視認し、ノッポ男=モノだと気づいたのかもしれません。

モノが後半帽子を取っていることの理由にもなりますし、比較的可能性の高い説かもしれません。

  • オルゴールを壊された怒り

最終ステージではシックスはモノにオルゴールを壊されます。シックスにとってオルゴールは心の拠り所のようなものである可能性が高いため、大事なものを破壊したモノへの恨みが溜まっていたのかもしれません。

  • シックスの中の残虐性ゆえ

シックスは物語の途中途中で、その残虐性をほのめかす演出があります。人形の手の指を関節と真逆に折っているシーンやドクターを焼却炉で焼いた後に恍惚とその炎を眺めるシーンがあります。

シックスの残虐性を抑えていたオルゴールがなくなったことでシックスの残虐性が抑えられなくなり、それが最後のシーンでモノに向いただけの可能性もあります。

  • 上記の全て、またはそれらが複合した複雑な感情

結局、いくつかある可能性のどれか1つではなく、全てが要因であるのかもしれません。感情なんて黒か白かの2色に単純に分けられるようなものでもないですし、いろいろな感情が合わさった結果モノの手を放した、ということも十分に考えられます。

最終ステージの異空間と化け物は何なのか

異空間

『リトルナイトメア2』の最終ステージはドアとドアが不規則につながっていて空間が歪んでいるような異空間です。その最奥で異形な姿のシックスと戦うことになるのですが、シックスは不思議な力で異形と化したのではなく純粋にあの姿がシックスが成長した姿なだけだと仮定すると、異空間の中は時間も歪んでいると解釈できます。

そうなるとノッポ男となったモノが過去の時間軸に移動できることも納得です。モノは時空を歪ませる異空間の主のようなものになったのでしょう。

そもそもあの異空間や目玉の化け物は何を表しているのでしょうか。おそらく電波塔やテレビが関係しています。

電波塔付近の人たちはテレビに夢中であり、電源のついているテレビがあると一心不乱にテレビを見続けます。しかし、そんな電波塔付近の住人たちの顔は異形であり、テレビを見るための「目」がありません。一方で異空間は最終的に多数の「目」を持つ化け物に変わります。

異空間や目の化け物は電波塔付近の住人から目や思考を奪い、代わりに異常なほどのテレビへの執着とサイコキネシスのような力を与えているのではないでしょうか。

電波塔とモノの関係性も非常に複雑だと推測されます。初めは電波塔=異空間の主人はノッポ男でしたが、そのノッポ男がモノに倒されて主人を失ったことで、異空間は新たな主人を求めてモノを招き入れます。あるいは連れ去られていたシックスが一時的に異空間の主人となったことで、異空間がおもちゃやオルゴールの音に溢れる最終ステージのように変わったのかもしれません。そしてその後モノだけが異空間に取り残されることで異空間は新たな主人をモノとし、モノはノッポ男となって過去へ戻っていく。

鶏が先か卵が先か、のような話ですが、モノの存在が電波塔という異常を作ってしまったのかもしれません。

『リトルナイトメア』との時系列と関係

『リトルナイトメア2』の真エンディングでシックスがモウのポスターを見ていることから、『リトルナイトメア2』は『リトルナイトメア』の前日譚だと推測されます。

シックスは『リトルナイトメア2』の大冒険をした後、何らかの目的によりモウを目指したのでしょう。この時系列があるので『リトルナイトメア』の序盤に出てくる痩せ細った首吊り死体はノッポ男=モノであるという考察もなされているようですが、この説には少し懐疑的です。

ノッポ男が自殺した理由も不明瞭ですし、なぜ異空間に残されたノッポ男がモウの船内にいるのかも分かりません。モノ=ノッポ男の物語は『リトルナイトメア2』の中で閉じている方が説得力があるように思います。

各キャラクターのモチーフ

  • シックスのモチーフ

言わずもがな、シックスは6を表します。7つの大罪の6番目は「暴食」です。シックスは『リトルナイトメア』ではノームまでも喰らったりゲストの魂を喰らったりする描写があったことから、シックスは「暴食」をモチーフにしていることが窺えます。

  • モノのモチーフ

「モノ」はギリシャ語で1を表す言葉です。シックスが7つの大罪の6つ目である暴食だとするなら、モノは7つの大罪の1つ目である傲慢を司ることになります。モノの何が傲慢なのでしょうか。これも複数の可能性が考えられます。

まず最初に考えられるのが、「シックスを助け出そうとしたことが傲慢である」という可能性です。『リトルナイトメア2』はモノがシックスを助け出そうとする物語です。モノは猟師の家に囚われていたシックスを外に連れ出し、電波塔に支配された世界から抜け出そうとします。

その結果としてモノはシックスの心の拠り所でありシックスの凶暴性を抑えていたオルゴールを破壊してしまい、最終的にシックスは暴走してしまいます。もしかしたらシックスは初めから助けなど求めていなかった可能性もあります。助けを求めていない人にとってはヒーローは傲慢な存在なのかもしれません。

また、モノはシックス以外に対しても傲慢と言える対応をしています。分かりやすい例では、銃で猟師を殺したり入院患者の延命装置を切ったりしたことです。自衛のため仕方なくとはいえ、自分以外の命を軽視した行動をしたことに間違いありません。

  • ノッポ男のモチーフはスレンダーマン

海外の都市伝説の1つにスレンダーマンというものがあります。スレンダーマンは細身で異常に背が高く、瞬間移動能力を持ち、子供を誘拐すると言われています。

今作のノッポ男は明らかにスレンダーマンのオマージュだと思われます。

終わりに

現在多くの人がYoutubeやブログ上で『リトルナイトメア2』の考察をしていますが、その内容は本当に多種多様であり見ていて飽きません。

物語の余白が大きいことも『リトルナイトメアシリーズ』の魅力の1つだと実感しています。自分が納得する考察を見つけるまでいろいろ調べてみるのも面白いのではないでしょうか。

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