読切漫画『地球記録0001』感想 | 最後にタイトル回収するのズルすぎ

少年ジャンプ+の読切『地球記録0001』↑読みました?めちゃくちゃよくないですか??

知的好奇心をそそられる宇宙人との交流。人に囲まれているからこそ孤独を感じるマワタリと人の存在を知ったから孤独を覚えたイオの対比。マワタリの体を「借りた」イオが残す地球記録0001。全てがエモの塊。

「エモ」みたいな汎用性が高すぎる言葉で全てを片付けるのは好きじゃないんですけど、イオがこれまで経験した無限にも近い孤独とか瀕死になったマワタリがイオに体を渡す時の気持ちとか、考えてるだけで夜が更けてしまいそうなことが多すぎて。でも全部を語る時間はないから。それら全てをこの3文字に込めて言うのです。エモい。

地球記録0001

記録者イオ

ああ…マワタリ 今日も地球は美しいよ!

『地球記録0001』

地球記録0001はイオがマワタリに呼び掛けてるのがいいですよね。マワタリの月面記録は形見のテープレコーダーを使って死んだ母親への報告をする意味合いだったと思うんですけど、イオの地球記録もある意味一度死んだ友人のマワタリに向けて残す報告ですよね。

でも死んだ母親と違って、マワタリはいずれ意識を取り戻すかもしれないんですよ。マワタリがいずれ意識を取り戻してイオが残した膨大な地球記録を聞いたらどんな反応をするんですかね?呆れるのか笑うのか。

物語がめちゃくちゃ綺麗に完結しているせいで逆に難しいんですけど、イオとマワタリのその後の物語を想像するだけで数週間は退屈しませんね。マワタリはいつ目を覚ますのか?数ヶ月後?数千年後?その時イオはどうなるのか?寄生獣のように体は共用?それとも分離する?その後イオはどうするのか?一緒に暮らす?今度こそ宇宙の旅に出る?出るわ出るわ疑問の束。駆り立てられる駆り立てられる想像力。

いやこの続きなんて蛇足でしかないことは分かっているんですが、そういう理性や理屈を本能がぶん殴って黙らせる。ぶん殴られまくった結果、完全に酩酊した脳が見る存在しないはずの「続きの物語」は、最上のエモを献上してくれる。そうした「存在しないはずの続き」まで含めて最上にエモい作品。もはや暴力と相違ない。多分ドナルドトランプがこの漫画読んでもエモいって言うんじゃないですかね。流暢な日本語で。

ちょっと「エモい」って言いすぎたんでこれから半年は「エモい」って言葉使いません。なんだよエモいって。ちゃんと具体的に言え。

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